| 周易
「易経」や「易」とも言われています。
日本ではあまり、というか全く耳にしませんが、易経は占筮に際に使われている書物で、
はるか昔の太古の時代からの占いの知識を、形としてまとめ上げた、三易の一つとされています。
現在でも行われている易占法の原典ですが、易経の成立した当時の占いは、
今の時代の軽さとはかなり違っていて、はるか昔から重要で真剣な物事の解決方法でありました。
当時の占い師達は、政治の世界で生きるか死ぬかの命がけの責任を背負っていました。
■易経「経」と「伝」
本体の部分ともいえる「経」と、経を解説した10部の「伝」からなります。
「経」は
八卦の組み合わせることによってできる六十四卦の図象と、
その意味が書かれてある「卦辞」、六十四卦それぞれを構成している6本の爻位(こうい)の
意味を説明している384の「爻辞」とがまとめられて、上経と下経の2巻に分かれています。
「伝(十翼)」は
「彖伝(たんでん)上、下」
「象伝(しょうでん)上、下」
「繋辞伝(けいじでん)上、下」
「文言伝(ぶんげんでん)」
「説卦伝(せっかでん)」
「序卦伝(じょかでん)」
「雑卦伝(ざっかでん)」
の10部で構成されています。
「伝」の内容
「彖伝上・下」には、「周易上・下経」のそれぞれの卦辞の注釈が収められています。
・「象伝上・下」には、
各卦の象形の意味についての解説と、その爻辞の注釈が収められています。
占い師の間では、前 者を「大象」、後者を「爻伝」、というふうに区別して呼んでいることがあります。
・「文言伝」では、
六十四卦のうち最も重要で、なおかつ基本になっている位置とされる二卦の、
乾(けん)と、坤(こん)については、詳しい解説がされています。
・「繋辞伝上・下」には、
易の成り立ちや、思想、占いの方式、など、『易』に関係する全てをひっくるめた説明が収められています。
・「説卦伝」では、
大成六十四卦の基となっている小成八卦の概念や、森羅万象をこの八種類の象に分類する、
その分類のされ方が詳しく説明されています。
・「序卦伝」には、
今現在の「周易 上・下経」での六十四卦の並び方の理由が説明されています。
・「雑卦伝」では、
占いを行うときに、卦象を読み解いていく際の、ちょっとしたヒントのようなものが、
それぞれの卦ごとに、短くまとめられた言葉で述べられています。このヒント集的なものが必要ということは
たまにはやり方を忘れてしまうときがあるんですかね。
■名前「周易」「易経」
この書物の本来の書名というのは『易』、『周易』となっているのですが、
『易経』というのは儒教の経書という書物で挙げられていたので、
他の五経それぞれ『書経』、『詩経』、『礼経』、『春秋経』、『楽経』
というように、「経」の文字が追加されるのと同じであるためです。
一般的に『易経』という場合は、後の代の注釈書である「伝」を除くことはありませんので、
「伝」も含めて1つの書とされることが多いのですが、本来は『易経』というのは、
「卦」・「卦辞」・「爻辞部分」の上下の二篇のみのものを言います。
ではこの書物がなぜ「易」という名前なのか?
それははるか昔から、いろんな説がなされてきました。
有名な一説で蜥蜴説、というのがあります。
とかげの肌の色を自分で変化させることが由来だというものです。
また、「易」という字が「日」と「月」から成り立っているとする日月説があり、
太陽と月が陰と陽の代表とさせているとする説もあって、太陽、月の星の動きから
運命を読み解く占星術が由来だと考える人もいます。
儒教の伝統的な考えでは、『易緯乾鑿度』の「易は一名にして三義を含む」といって、
「変易」、「不易」、「簡易」(かわる・かわらぬ・たやすい)の三易説からになっています。
また、『周易』の「周」という文字は中国王朝の周の時代の易の意味だと言われることが多いのですが、
鄭玄などは「周」というのは「あまねく」の意味だとして解いています。 |